サッシカイア!
ピサを離れたバスにて、佐藤サンの解説を子守唄にひと眠りすると(申し訳ないです) 'La Strada Del Vino' (ワインの道、ワイン街道)という立て札が。どうもトスカーナ全域にこういう感じの案内があるらしい。イタリア全土なのかな?
そしてバスは今回の最初のワイナリーの待つ、ボルゲリへ。
バスを降り、'OSTERIA-ENOTECA SAN GUIDO' という、サッシカイアのワイナリー「テヌータ・サン・グイド」直営のレストランでお食事。
しかし、レストランなどと書いたは良いが、「オステーリア・ダッシュ・エノーテカ」ちうのは、どう訳しゃいいのですかね…。オステリアが、ちゃんとコースというか食事がきっちりできて、さらにみんなでわいわいやれるところ、でしょ。エノテカは、気張らないけど、座ってお酒を楽しむところだから、ああ、まぁ、そういうとこか。実際そういうとこだったな。
※今回も写真をクリックすると(ちょっとだけ)大きくなります。
きれいに手入れされた庭園にかこまれた非常に素敵なお店。なにしろ、いい天気なのでこの景色がもう最高!絵に描いたような、とはまさにこんな感じ。どこを観ても絵はがきのようじゃ。
窓からの景色ですが、敷地内には馬の厩舎も見える。もともと、サッシカイアのオーナーは競走馬の育成を生業としていた貴族。そういうルーツ的な部分をこうやってアピールしているのかもですな。
前菜からドルチェまで。特筆すべきはトスカーナの魚料理。イタリアは日本と同じく海洋国家で、魚もよく食う。えび、トマトにネギが入っていたりする。極めて美味。実はメニューはもうちょっとあったと思うのだが、写真を撮り慣れていないというか、食べ物を目の前にすると瞬時に逆上してしまう為、なくなってから「あ、写真」ということもしばしばなのでありましてごにょごにょ…。
そして、われ等が
ユンヌ・ペルル店主・野谷さんによりチョイスしていただいたワインですが、コレ!これが実は今回のトスカーナ行きで一番インパクトのあった一本(もちろん、僕は買って帰りましたし、ユンヌ・ペルルにも置かれるようになりました!興味のある方はぜひ→
http://une-perle.cocolog-nifty.com/blog/2006/07/post_ed52.html)で、むちゃくちゃ香りが高く美味。脳天をつきぬけました。
あーあーもー、初日からコレかよー。ホントすげーです。気温はけっこう高いのだけれど、乾燥している、というほどでもないが湿気がなく、肌はサラサラ。森の中でお花畑に囲まれたレストランで素晴らしいワインをかっくらいながら、この上ない極上ランチと相成りました。
満ち足りた世界に浸りきっているその重い腰をあげ、向かうはそう、ついについについに、いよいよサッシカイアのワイナリー見学です!
…でもなんか、ちょっと「うまいメシくったしワイン飲んだしもういっか、午前中観光したし」という空気がちょっとだけ流れていたような気がするのは僕だけか!?
まず事務所へいき、さらりとブリーフィングを受ける。広報担当のマリアさんはよくしゃべる(ホントよくしゃべる)説明熱心ですばらしいお方。真面目な方だがカタブツという感じではない。さらにホントにエネルギッシュな方であります。
通訳・解説してくれるガイドの佐藤サンが、創設者のマリオ・インチーザ氏を「マルコ」と間違えるたびに「マーリオ」と細かく突っ込みを入れていたのが印象的だった。そういうとこも特にイヤミがないのね。にしても佐藤さん、なんだかマルコを連発しておられた(笑)
ともかく、サッシカイアというワイナリーは、常に見学者を受け入れているようなところではなく、ユンヌ・ペルルさん的にも、そのへんの情報をもとに、一年前から準備して、連絡をとるも、「そんな先のことはわからない」みたいなつれないお返事が続いたそうで。今回のは、そんなハードルを越えて実現した非常に貴重な体験なのでありますということであります!(力説)
オフィスから歩いてすぐのカンティーナへ移動し、ややカビ臭い建物内でさらに説明は続く。まぁ、説明をうけた内容についてはネットに同様の、あるいはもっとくわしい情報があふれていますので、特にここでは記述しません。気が向いたら自分なりにまとめたものを後々書いていこうかとは思いますが。
とにかく、ここでも佐藤さんの通訳&解説がわかり易く、聞いていて飽きない感じ。しかーし、マリアさんから発せられる情報量があまりに膨大なため、聞いている我々も、トランスレイトしている佐藤さんもかなりタイヘンではありました…。とにかくまぁ、広報というか宣伝もあるのだけれども、熱心な解説。
2005のアレが眠る貯蔵庫。新→旧→もっと旧と、三種類の樽で熟成させたものを最終的にブレンドするそうな。徹底的に温度管理されていて、我々、ちと長居しすぎたらしく、室温があがりそうになって、ブザーを鳴らされてしまいました。しかし、ホント樽ごとかっぱらって帰りたかったよ俺は。
設備もいろいろと見せてもらう。今、2003年を梱包して出荷しようとしているところ、ということだが、なんだなんだ、なんともゲンシ的な機械だなおい。そして、この工程にこの人数はいらんだろ〜!もうちょっと合理化して安くしてくれよぉおおおー。(働いてる人たちゴメンなさい、いかにも日本人的なエゴかもですね)
てか、ハーフボトルあったのね、サッシカイア…。
ひと通り説明が終わったところで…。
試飲!試飲!試飲でござる!うっひっひー。
ちなみにこの左のかた、すごいソムリエナイフさばきが圧巻でした。あっという間に抜栓して、こんだけの数のグラスにひょいひょいと均等に注ぎ分けてました。
「そりゃ毎日やってるんだもん」とは野谷さん(笑)
まずは同社のセカンド、「グイダルベルト」をいただく。むをー、強い。美味しい。これは好きだー。このボルドータイプというか、鋭角的かつ深い感じはとても好みだ。若干筋肉質というか、再来年くらいに開けてもいいかもですねーというハナシが。いいですねー。
そして!サッシカイア'02であります。
ああ、誇大表現ではなく夢に出てきたサッシカイア。お味は、うーん、極めてエレガント!以前に、ユンヌ・ペルルの「イタリアワインの会」で飲んだ2000年(?)ほど香りはぶっとんで来ない(抜栓したビンが近づいて来ただけで香りが「ぶわッ」と襲い掛かってくる感じがないのです。けっこうそれを期待していたのだが)が、が!うーん、おいすぃー!欲を言えば、カビ臭いカンティーナではなく、さっきのエノテカで楽しみたかったかナ…。
でもでもでも、やってきたぜ、キミに会いに!海こえて、てか空飛んで。あー確かにちょっと次元がちがう。超高級ワインと、普通に美味しいワインの差って、結局のところ紙一重な部分があるんだけど、なんか、この優雅さはお金払う価値があるのではないでしょうか。
た・だ・ね。今回のサッシカイア'02は、実はちょっと物足りなかったの…。もちろん、場所というか、室温とかもあるんだろうけれど、野谷さんの言葉を借りると「エレガントすぎる」たしかに。「セカンドの勝ち」なのかな…。確かにアレ(グイダルベルト)うまかったッス。
で、一行(というか野谷さん)からのプレゼントのコーナー。和の感じのココアボールです。さて、何を入れて飲むのやらイタリア人(笑)ともかく、すんごい大喜びされていました。うんうん、喜んでもらえてオレも嬉しいよ、って、あげたのは野谷さんだ。でも、マリアさん、実は日本茶がお好きだそうで。でも、それで飲むとお腹ガボガボになっちゃうよ。
マリアさんと記念撮影をして、再びオステリアにて、ワイン購入。僕はサッシカイアを断念、先ほどのマッキオーレのボルゲリ・ロッソを2本購入いたしました。だって、やっぱり美味だったですから!ふと横を見ると野谷さんがサッシカイア'03をなんと箱でお買い上げ…。あ、そうだった業者だったんだ(笑)じゃ、いいや。帰ってから気が向いたらユンヌ・ペルルで買えばいーんだから!って、そうそう気軽に言えるお値段のシロモノではございませんが。
なんともうららかなお天気のなか、夢のサッシカイア見学&ワイナリーでお食事の第一発目を終え、一行はまたもやバスに乗り込むのでした…。
余談ながら、ほんの2日前まで、東京で這いつくばって連日終電まで働いていたのとのギャップに軽く目眩。ホントになにもかも異世界にきてしまったんだなぁーと思い、「これで旅を終えて帰って、イナバウアーとかゆうたら浦島太郎みたいに扱われるんかな」とか考えてしまいました。なんでソレが出て来たのかは皆目わかりませんが、ホント。